その①Part 1
木の特徴をご存知ですか?
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木材がさまざまな製品に利用され、人々に愛されているのには理由があります。
それは「木の香りが良い」「感触が良い」「心が安らぐ」といった心理的な効果だけではありません。
木は構造材として使う場合でも、加工する場合でも多くの利点があり、それと同時に欠点もあります。
天然の素材である木は、さまざまな変化を起こします。
古くから人々は、その変化をうまく利用することで生活を豊かにし、木に慣れ親しんできました。
鉄やコンクリート、プラスチックに限らず、今では多くの人工素材がありますが、それでも利用され続けている木にはどんな特徴があるのでしょうか。
このページでは木について、いくつかの特徴をご紹介いたします。
木について学んでいただくことで、木造の住宅や家具、エクステリアを購入、製作される際の一助となれば幸いです。
住宅に木材を使う理由
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木は丈夫でありながら、加工がしやすい素材です。
一般住宅でも何十年と家を支え続けますし、中には100年以上長持ちする家もあります。
法隆寺などを例に挙げれば、1,400年以上も建ち続けています。
それでいてノコギリがあれば、小学生でも大黒柱を簡単に切断し、加工ができてしまいます。
自動車の最初のフレーム素材は木でした。
飛行機もまた、ジェラルミン(アルミニウムと銅、マグネシウムなどによるアルミニウム合金の一種)が発明されるまでは、重量あたりの世界最高の強度があった「木材」でしか作ることができませんでした。
ピン工法で使用される木材は、掘り込まれた窪みに凹型の受けの金具が埋め込まれ、両者がピンで結合されます。
住宅の構造材に金属やコンクリートが利用されるようになった今でも、木は「安い」「加工しやすい」「強い」優れた素材です。
木には木目があります
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木目とは、板を製材したときに現れる年輪などの模様で、木理ともいいます。
木目を知ることで、木のどの場所から製材したのかも分かるので、反りや曲がりがどうなるかを予想することもできます。
木目は板目、柾目、杢目に大別されます。
- 板目(いため)
- 丸太の中心からずれて挽くと、年輪が平行ではなく山形や筍形の木目が現れ、これを板目といいます。
- 柾目(まさめ)
- 丸太の中心に向かって挽いたときに現れる年輪が平行な木目を柾目といいます。
- 板目と比べて歩留まりが悪くコスト高になりますが、反りや収縮などの狂いが少ないです。
- 杢目(もくめ)
- 木目などの紋様で、特に装飾価値が高い紋様を「杢」と呼んでおります。
- ブナ科の虎斑杢やメープルなどに現れる鳥眼杢、トチ、シカモアなどの縮み杢の他、縞杢、葡萄杢、牡丹杢、鶉杢、如鱗杢などがあります。
木は曲がったり反ったりします
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材木は製材するそれぞれの場所によって水分含有量が違い、乾燥時の収縮にも違いが出るため、「反り」が生じます。
丸太を板目(図参照)に製材して、外側に近い方が「木表(きおもて)」、丸太の芯に近い方が「木裏(きうら)」です。
材木の「反り」に関係する重要な事柄で、それぞれの以下のような特徴があります。
- 木表(きおもて)
- 樹皮に近い方をいいます。
- 木裏に比べ白太が多く、組織は新しく水分が多いため、乾燥時の収縮が大きいです。
- 木裏に比べ、木目がひき立ち美しいのが特徴です。
- 見附(みつけ:目に付くところ、目立つところ)には、こちらの面を使います。
- 「板」というものはどうしても反るものであり、木裏より木表の方が当然樹齢が若いので、木の収縮が大きく、表の方が縮みます。
- 木裏(きうら)
- 樹芯に近い方をいいます。
- 木表に比べ赤身が多く、組織も古く水分が比較的少ないため、乾燥時の収縮も小さいです。
「木目」は木の生長の速度差によって生まれます。
短時間に沢山成長するときには密度が低く、その逆にわずかにしか成長しないときには密度が濃くなります。これが木での「年輪」であり、材木の「木目」です。
木目(年輪)を観察すると、1年の四季においての木の成長過程を読み取ることができます。
木の生長点は樹皮の近くにあるので、木は中心ほど古く、周辺ほど新しい(若い)木質となります。
木は、春になると急激に成長します(年輪の白っぽい部分です。『夏目』と呼ばれております)。
そして夏になった頃成長が遅くなり(色が少し濃くなります)、秋になると成長速度はかなり鈍くなります(年輪の色がとても濃い部分です。『冬目』と呼ばれております)。
そして冬には成長を止めます。そのため年輪の幅はほぼありません。