その②Part 2
木には節(ふし)があります
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「節」は木材の幹が太くなる過程の中で、枝の元の部分が幹の中に包みこまれてできたものです。
板目木取り(丸太材の直径方向と直角にノコギリを入れて製材品を作る方法)をした場合に円形、もしくは、だ円形の節が木材の表面に現れやすくなります。
節の部分の組織は、一般に暗褐色で密度が高く硬いため、加工が難しくなります。
また、節やその周辺部分では樹脂分が多いため、木材の樹液のヤニなどが出やすくなります。
節には、生節(いきぶし)と死節(しにぶし)があります。
生節は枝の元の部分が生きている間に、幹の中に枝が取り込まれたときにできたもので、幹の組織と枝の組織が繋がっております。
死節(しにぶし)は、枝が枯れた状態のときに幹に取り込まれたもので、幹の組織と枝の組織が繋がっておらず、単に異物が幹の中に閉じ込められた状態のものもあります。
構造強度の劣ることが多いとされております。
また、死節(しにぶし)は組織が繋がっていないため、節が抜けてしまう場合があります。
そのため、同じ節でも「死節」は敬遠されることが多いです。
木は腐ったり虫がついたりします
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木を腐らせるのは木材腐朽菌の仕業です。
腐朽菌は、空気中、土の中、私たちの身の回りのどこにでもいる、一般的な菌です。
腐朽菌も他の細菌と同じで、養分、水分、温度、空気がなければ繁殖できません。
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養分はもともと木が持っておりますが、温度、空気は屋外では管理できません。
ですから木が腐るのは水(湿気)が原因です。
そのため木が腐るのは雨で濡れる屋外だけです(屋内でも結露、水漏れ、通風不足などで湿気ていると腐ります)。
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木はもともと森で育った植物です。
雨に濡れても、すぐに深く内部まで水がしみ込むことはありません。
濡れてもすぐに乾けば、腐朽菌が繁殖する時間がなく、簡単に腐るものではありません
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しかし、乾かない環境では、木は大変弱いものです。
乾かない環境とは、風が通らない環境で、密着面などです。
地面に置いた材木は、上面は乾いても、地面と密着した下面は乾きません。
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2枚の板を重ねて置いておくと、重なっている部分は相当期間乾かず、深いひび割れなどがあると、その奥は風も入らないため、同じく相当期間乾きません。
また、木口は繊維の断面が出ているため、水を奥まで吸いやすく乾きにくい部分です。
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乾かずにいつまでも湿気た状態で置いておくと、やがて腐朽菌が繁殖をはじめ、木は腐りだします。
腐りだすと、木はスポンジ状になり、さらに内部深く水が浸透していきます。
内部まで入り込んだ水は中々乾かず、次の雨でまた濡れます。
もはや乾くことがなくなった木材の内部で、腐朽菌の繁殖の勢いが増してしまいます。
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雨ざらしで地面に放置したら半年~1年くらいで、地面から離しても2~3年で木口から腐り始めるというのが一般的な木材のイメージです。
湿気があり、腐り始めた木材は虫にとっての格好の餌になるため、なめくじ、まる虫、げじげじが発生し、最悪の被害は白蟻です。
木は腐ったり虫がついたりします
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- 樹木名:スギ
- 性質:
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材はやや軽軟で、比較的狂いは少なく、切削など の加工は容易です。耐水性にやや劣ります。
木目に沿って縦に割れやすいです。
- 用途:
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建築用材として最も多く用いられます。
その他、建具材、包装用材、電柱など用途は多いです。
また、割裂性を利用して樽桶材や割箸としても利用されます。
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- 樹木名:ヒノキ
- 性質:
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木目は通直で均質です。狂いが少なく、加工性は良いです。
耐湿、耐水性が良く、保存性が高いです。
肌目は精で、表面を上手に仕上げると特有の光沢を出すことができます。
- 用途:
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寺社建築をはじめ高級建築材として使われるほか、造作材、建具材、家具材、曲物材など幅広く用いられます。
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- 樹木名:ケヤキ
- 性質:
材はやや重硬で、耐湿・耐久性に優れます。
一方、狂いやあばれが落ち着くまでに、かなりの乾燥時間を要します。
- 用途:
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日本の広葉樹の中で第一の良材として古くから建築材、家具材、建具材、造作材として幅広く用いられてきました。
特に寺社建築に重用されたり、農家の大黒柱としても用いられています。